特定の条件が満たされている場合にだけ利用可能な債務の整理方法について

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年05月17日

特定の条件が満たされている場合にだけ利用可能な債務の整理方法について

Q任意整理・個人再生・自己破産以外に債務整理の方法はありますか?

A

1 はじめに

 債務整理の代表的な方法は、①任意整理、②個人再生、③自己破産があります。

 これらの3つの手続きが、債務整理の中心となる理由は、収入と支出のバランスや、財産と負債のバランスに問題がなければ、基本的にどのような状況でも利用可能な手続きだからです(*過去の破産歴によって免責が得られなかったり、直近の借入が大きすぎると相手方が任意整理の交渉に厳しくなることなどの例外もございますので、詳細は弁護士にご相談ください)。

 他方で、特定の条件が満たされている場合にだけ利用可能な債務の整理方法というものもございます。

 

2 時効の援用

 まずは、借入や最後の返済から、非常に長期(一般の貸金業者との関係では原則5年)にわたって時間が経過しており、その間、債権者との間に何らのやり取りもなかったという場合には、借金自体が時効によって消滅したという主張が認められる可能性があります。

 もちろん、貸金業者が裁判を起こすなどの方法で、時効の進行を途中で止めていた場合には、この限りではありませんが、うまくいけば破産などの複雑な手続きを経ずに、着金の返済義務から免れることができる点で、費用対効果の非常に高い債務整理の方法です。

 

3 相続放棄

 また、借金が自分で作ったものではなく、例えば、親の借金を相続したというような場合には、そもそも相続人となることを放棄することで、借金の返済義務を免れることができる可能性があります。

 なお、相続放棄には、自分が相続人になったことを知ってから3か月という短い期間制限がありますし、途中で、被相続人の預貯金などの財産を処分してしまうと、放棄が認められなくなるというような制限もあります。

 もし、「誰かの借金を相続した。」という場合には、できる限り速やかに、弁護士までご相談ください。

 

4 その他の臨時の制度について

 また、借金が返済できなくなった理由が、大きな自然災害などである場合には、期間限定で、特別な債務整理の方法が認められる可能性があります。

 例えば、東日本大震災などの震災で自宅を失って住宅ローンだけ残ったような場合などには「自然災害債務整理ガイドライン」という制度を利用して、特別な債務整理をする運用がなされていました。

 「新型コロナウィルス」の感染拡大した際には、これによって収入が減少して返済困難となった方向けに同様のガイドラインが設けられました。

 このように、債務整理には、その時々で利用可能な臨時の制度が設けられていることもありますので、適宜、弁護士までお尋ねください。

 弁護士法人心 津法律事務所では、皆様からのご相談をお待ちしております。

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