「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」と住宅について

「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」と住宅について

Q「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を用いた場合、住宅を残すことはできますか?

A

1 住宅に関する規定

 「「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウィルス感染症に適用する場合の特則」第6項において、住宅資金特別条項を含む調停条項案が定められています。
 これは、従前の「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」から追加されたものです。
 具体的には、住宅資金貸付債権(民事再生法196条第3号)について、住宅資金特別条項(民事再生法第196条第4号)と同様の内容の条項を定める調停条項案を作成できるとされています。
(民事再生法196条第3号)
 住宅資金貸付債権 住宅の建設若しくは購入に必要な資金(住宅の用に供する  土地又は借地権の取得に必要な資金を含む。)又は住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る分割払の定めのある再生債権であって、当該債権又は当該債権に係る債務の保証人(保証を業とする者に限る。以下「保証会社」という。)の主たる債務者に対する求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているものをいう。
(民事再生法第196条第4号)
 住宅資金特別条項 再生債権者の有する住宅資金貸付債権の全部又は一部を、第百九十九条第一項から第四項までの規定するところにより変更する再生計画の条項をいう。

 

2 住宅ローンを完済している場合

 住宅ローンを完済している場合には、自己破産と異なり、自宅を配当原資に充てる必要はないことから、自宅を残すことはできます。
 もっとも、担保権が付されていない、大きな価値のある財産を有していることになるので、他の債務の返済条件を交渉する際に考慮される可能性は残ります。

 

3 未だ住宅ローンを返済中である場合

 住宅ローンだけは、そのまま返済を続け、他の債務については減額、免除等の調整を行うことができます。
 これにより、自宅を残したまま、債務の整理を行うことが可能となります。
 「「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウィルス感染症に適用する場合の特則」を用いる場合、原則としては全ての返済を停止することになっていますが、住宅ローンについては、すべての債権者に対して住宅ローンの返済を継続する旨を通知し、債権者から異議が出ない場合は、返済を継続できます(なお、債権者は、合理的な理由なく異議を申し立てることはできません)。

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