「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」とローンについて

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年01月04日

「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」とローンについて

Q「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を使った場合、その後ローンを組むことはできますか?

A

1 法的な債務整理手続との違い

 破産や個人再生といった法的整理は、裁判所の密接な関与の下、法律の定めに従って行われる手続です。
 これに対し、このガイドラインに基づく債務整理は、特定調停の手続を経るため、裁判所が一定程度関与するものの、基本的には債務者本人と各債権者の合意により債務を整理をする手続です。
 法的整理との手続の違いとしては、このガイドラインに基づく債務整理を行った者について、信用情報登録機関への個人信用情報の登録・報告を行わないということが言われています。

 

2 信用情報登録金への報告や登録はされないこととなっている

 このガイドラインに基づく債務整理の対象となった債務者は、返済できなくなった責任が本人にないと考えられます。
 このような事情を踏まえて、このガイドラインに基づく債務整理を行った債務者については、この債務者が債務整理を行った事実その他の債務整理に関連する情報、代位弁済に関する情報を、信用情報登録機関に報告、登録を行わないこととされています。
 ただし、債務者が弁済計画どおりに支払うことができなくなった場合は、信用情報登録機関への報告や登録がされてしまうことになります。

 

3 社内の情報としては登録される可能性は残る

 このガイドラインに基づく債務整理を行った場合で、信用情報登録機関への登録や報告がされないとしても、債権者の社内の情報としては登録されてしまう可能性は残っています。
 そうすると、このガイドラインに基づく債務整理を行った後、同じ債権者から借り入れをしようとした場合、このガイドラインに基づいて債務整理を行った記録はすぐに明らかになってしまいます。
 このような場合は、この債権者の審査に通らず、新たな借り入れやローンを組むことができなくなる可能性は否定できないこととなります。

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