「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」と個人信用情報について

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2020年11月27日

「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」と個人信用情報について

Q「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を用いた場合,個人信用情報はどうなりますか?

A

1 このガイドラインに基づく債務整理を行った対象債務者については,当該債務者が債務整理を行った事実その他の債務整理に関連する情報(代位弁済に関する情報を含みます)について,信用情報登録機関に報告,登録することは行われません。

 このガイドラインに基づく債務整理の対象となった対象債務者は,災害(または新型コロナウイルスによる収入の減少)の影響によって返済が厳しくなったのであり,対象債務者には帰責事由がないと考えられるからです。

 

2 銀行や消費者金融から借り入れを行い,またはクレジットカードを作成する等すると,信用情報機関に当該債務者の氏名,住所等の情報の他,利用残高や返済履歴等の情報が登録されます。

 いわゆる事故情報とは,登録される情報のうち,一定期間以上の返済の延滞や,代位弁済(保証会社が保証を履行すること)が行われた事実などを指しますが,債務整理に入ったという事実もこの事故情報に含まれ,弁護士等が銀行等に債務整理の受任通知を送付すると,信用情報登録機関に登録されることになります。

 信用情報機関に事故情報が登録されると,新たに借り入れを行い,またはクレジットカードを作ることなどが困難になります。

 金融機関は,貸付等を行う際に信用情報を確認するためです。

 新たな借り入れができないと,とくに事業者の方は事業の継続が困難になります。

 

3 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用した場合は,対象となる債務者については,信用情報に事故情報が登録されないこととされていますので,信用情報のみを原因として新たな借入れ申込みの審査に落ちることはないことになります(収入が少ないなど返済の見込みがない等のそれ以外の理由で審査に落ちる可能性はもちろんあります。)。

 なお,「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用して取り決めた弁済計画を履行できず,延滞等が発生した場合は,信用情報登録機関に事故情報が登録されることになります。

PageTop