「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を使える条件

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年01月07日

1 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則

 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(以下「本ガイドライン」といいます。)は、地震や暴風、豪雨等による自然災害の影響によって、債務の返済ができなくなった債務者の経済的再生のために制定されました。
 本ガイドラインを新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則(以下「本特則」といいます。)は、本ガイドラインを補完するものとして令和2年10月30日に制定されたものであり、ここでは本特則を使える条件を説明いたします。

2 対象となる債務

 本特則を使える対象債務は、4で説明する対象債権者に対する債務のうち、以下のものです。
 令和2年10月31日以降に発生した債務は対象とならないことに注意が必要です。
 ⑴ 令和2年2月1日以前に負担していた債務
 ⑵ 令和2年2月2日以降、令和2年10月30日までに新型コロナウイルス感染症の影響による収入や売上げ等の減少に対応することを主な目的として以下のような貸付け等を受けたことを原因として発生した債務
 ア 政府系金融機関の新型コロナウイルス感染症特別貸付
 イ 民間金融機関における実質無利子・無担保融資
 ウ 民間金融機関における個人向け貸付け

3 本特則を使える方

 以下の全ての条件を充たす債務者は、本特則を使った債務整理の申し出ができます。
 ⑴ 個人であること
 ⑵ 新型コロナウイルス感染症の影響により収入や売上げ等が減少したことによって、本特則の対象債務を返済することができない又は近い将来において本特則の対象債務を返済することができないことが確実と見込まれること
 ⑶ 返済について誠実であり、手続後に自分の財産や負債状況を債権者に対して適正に開示していること
 ⑷ 令和2年2月1日以前に、対象債務について、返済滞納等の期限の利益喪失事由に該当する行為がなかったこと(ただし、当該債権者の同意がある場合はこの条件を充たさなくても大丈夫です。)
 ⑸ 本特則に基づく債務整理を行った場合に、破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できること
 ⑹ 債務者が事業の再建・継続を図ろうとする事業者である場合は、その事業に事業価値があり、対象債権者の支援により再建の可能性があること
 ⑺ 反社会的勢力でなく、そのおそれもないこと
 ⑻ 破産法に規定する免責不許可事由がないこと(破産法252条1項10号を除きます。)

4 対象となる債権者

 対象となる債権者は以下のとおりです。
 ただし、本特則に基づく債務整理を行う上で必要なときは、以下に挙げられていない債権者を含むこととされています。
 ⑴ 銀行
 ⑵ 信用金庫
 ⑶ 信用組合
 ⑷ 労働金庫
 ⑸ 農業協同組合
 ⑹ 漁業協同組合
 ⑺ 政府系金融機関
 ⑻ 貸金業者
 ⑼ リース会社
 ⑽ クレジット会社
 ⑾ 債権回収会社
 ⑿ 信用保証協会、農業信用基金協会等及びその他の保証会社

5 本特則を使った債務整理が気になる方へ

 本特則を使った債務整理は、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した方の多くが使える手続です。
 また一見、条件に当てはまらないように思えても、債権者の同意を得ることができたり、運用上の例外に該当したりして、本特則を使った債務整理ができる場合があります。
 本特則を使った債務整理が気になる方はお気軽に弁護士法人心にご連絡ください。

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