個人事業者が「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を使った場合の事業への影響

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年01月05日

1 新型コロナウイルスによる減収にガイドラインが使えるようになった

 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」は、もともと東日本大震災や熊本大地震で資金繰りが難しくなった個人事業主さんを救済するために作られた制度でした。
 令和2年12月1日から、新型コロナウイルスの影響で売上が減ったり借入が増えて返済ができなくなった事業者さん向けに、このガイドラインが使えるようになりまました。
 このコロナ特則を、今後「ガイドライン」といいます。

2 基本的に個人事業をそのまま続けることができる

 ガイドラインを使った債務整理をすると、事業はどうなるのでしょうか。
 結論から申し上げれば、ガイドラインを使った債務整理が成立すれば、つまり全債権者が同意すれば、基本的に個人事業をそのまま続けることができます。
 一般に、事業を続けていく前提の債務整理として任意整理や個人再生がありますが、これらは、信用情報に事故登録される(いわゆるブラックリストにのる)というデメリットがあります。
 ガイドラインの特色として、ブラックリストにのらないため、新規借入への影響が少ないことや、連帯保証人に請求されずに済むこともあるというメリットがあります。
 在庫商品や機械類等事業用の資産がある場合も、その資産の時価を見積もって、財産の総額を上回る返済をすれば、事業用資産をとられないですむのが原則です。

3 リース物件や工場・店舗が担保に入っている場合は要注意

 ただし、事業用の機械のリースがある場合、リース債権者も減額・圧縮の対象になる可能性があり、そうすると、リース物件を引き上げられる可能性があります。
 また、工場や店舗に金融機関の抵当権が設定されている(担保に入っている)場合、工場や店舗の不動産の時価分の支払いが早期にできないと、抵当権を実行されて工場や店舗がなくなる可能性もあります。

4 法人の事業継続には使いづらい

 事業が法人形態の場合は、このガイドラインは使いにくいものになっています。
 法人の債務整理をした後か、法人と同時に債務整理をするのでなければ、代表者個人だけにガイドラインを使うことは原則認めていないためです。

5 まとめ

 ガイドラインは、個人事業をされている方にとって、今後も借入を受けやすい点や、無料で登録支援専門家の弁護士の援助が受けられる点でメリットが大きい制度です。
 当法人では、このガイドラインの適用で事業の立て直しを目指す方をサポートしますので、お気軽に弁護士までお問い合わせください。

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