「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を使う場合にかかる期間

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2021年01月04日

1 必要な手続き

 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用する場合、主に2つの手続きが必要になります。
 一つ目は、各債権者との間で、今後の債務の返済計画などを協議する手続きです。
 二つ目は、裁判所で行う、特定調停という手続きです。
 どの程度の期間が必要かは、流動的ではありますが、概ね4か月から8か月程度で、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」全体の手続きが終了することが多いと思われます。

2 各債権者とのやりとりに必要な期間

 各債権者とのやりとりでは、債務者自らが、以下のことを行います。

 

⑴ 手続着手の申出

 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用する場合、まずは債務者の方が、最も多額の借り入れをしている金融機関等へ、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用したいと伝えます。
 最も多額の借り入れをしている金融機関から、同意を得ることができれば、次の手続きに進みます。

 

⑵ 専門家に手続支援を依頼

 各地域の弁護士会等を通じて、「登録支援専門家」に手続の支援を依頼します。
 通常、債務者が債務整理などを弁護士に依頼する場合、依頼した弁護士は、債務者の代理人として、債務者の利益のために各債権者と交渉などを行いますが、「登録支援専門家」は、債務者の代理人ではないため、中立かつ公正な立場で、手続きを進めます。

 

⑶ 債務整理の開始の申出

 金融機関等に、債務整理を開始することを伝えます。
 その際、債権者に対して、債務整理に同意するかどうかの資料を提供する必要があるため、財産の一覧表や、その他必要書類も提出することになります。

 

⑷ 調停条項案の作成と提出

 債務者の方が、各金融機関と協議を行い、その内容を書面化します。

 この書面のことを調停条項案といい、各金融機関に提出し、説明を行います。
 各債権者は、調停条項案に同意するかどうかを、1か月以内に回答します。

 

⑸ 必要な期間

 上記⑴及び上記⑵は、対象の債権者や、弁護士会等の手続きがどの程度スムーズに進むかによって、必要な期間は大きく変わります。
 他方、上記⑶の債務整理の開始の申出と、上記⑷の調停条項案の作成と提出は、登録支援専門家の支援を受けてから、原則として3か月以内に行うことになっています。
 さらに、上記⑷の特定条項案の提出を受けた金融機関は、1か月以内に同意するかどうかを回答することになります。

3 特定調停に必要な期間

 各債権者が、調停条項案に同意した場合、債務者の方は、簡易裁判所に、特定調停を申し立てます。
 登録支援専門家は、債務者の代理人ではないため、債務者の代わりに特定調停に参加することはできません。
 そのため、債務者の方が裁判所に行き、手続きを行うことになります。
 特定調停が無事に終われば、調停条項の内容が確定し、手続きが終わります。
 通常の特定調停の手続きは、何も不備がなければ、裁判所に書類を提出後、1か月から2か月程度で終了することが多い手続きです。

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