「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を用いた場合に残せる財産

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2020年11月27日

1 自由財産と扱われる財産が残せます。

 このガイドラインに基づく債務整理を行った対象債務者については,破産手続において,「自由財産」と扱われる財産を手元に残すことが可能です。

2 自由財産とは

⑴ 自由財産とは,破産手続開始決定時の破産者の財産のうち,破産者 が自由に管理処分できる財産のことをいいます。

⑵ 自由財産の具体例

ア 99万円以下の現金(民事執行法上の差押禁止金銭の1.5倍相当額になります。)

イ 差押禁止財産(民事執行法その他の特別法に基づくものです。)

差押禁止財産には,差押禁止動産と差押禁止債権があります。

 差押禁止動産には,生活に欠くことができない衣服,寝具,家具,台所用具,畳及び建具,1か月間の生活に必要な食糧・燃料,技術者や職人等がその業務に欠くことができない器具などがあります。

差押禁止債権には,給料・退職手当,私的年金等があります。

ウ 権利の性質上差押えの対象とならない財産

エ 破産法第34条第4項に基づく自由財産の拡張に係る裁判所の実務運用に従い,通常,自由財産とされる財産

 上記アからウまでを本来的自由財産といいます。

 破産手続開始時における自然人たる破産者の財産のうち,本来的自由財産に該当しない財産についても,破産者の申立てや裁判所の職権で,自由財産として取り扱うことを決定することができる財産をいいます。

 各裁判所の実務の運用によって,拡張される範囲が異なりますのが,通常,破産者の生活の状況,本来的自由財産の種類及び額,破産者が収入を得る見込みその他の事情を考慮して,裁判所の裁量により決定されるものです。

3 その他手元に残すことが可能なもの

⑴ 給付金関係

 ①特別定額給付金,②児童手当を受給する世帯に対し児童1人当たり1万円を上乗せするという内容の,令和2年度子育て世帯への臨時特別給付金については,基本的に自由財産に該当するものとして,対象債務者の手元に残すことが可能です。

⑵ 新得財産

 この債務整理の申出後に,新たに取得した財産(いわゆる「新得財産」と言われるもの。)も自由財産と同様に手元に残すことが可能です。

⑶ 財産を換価・処分しない代わりに,公正な価額に相当する額を弁済する場合には,対象債務者は,その財産を手元に残すことが可能です。

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